親から子へ受け継がれていく“想い”を描く普遍的な物語

親から子へ受け継がれていく“想い”を描く普遍的な物語

プロダクションノート ラーメン映画と聞いて、誰もが思い出すのが'85年に公開された故・伊丹十三監督の『タンポポ』。さまざまな食にまつわるエピソードを織り交ぜながら、あるラーメン店の女店主のラーメン修行を描く本作は“ラーメンウエスタン”と称され、海外からも人気を集めた。その『タンポポ』以来初の本格的なラーメン映画を作るにあたって最もこだわったのは、当然ながら“ラーメン描写”。「本物のラーメン職人、ラーメン通が見ても納得するものを」と主演の渡辺大は、撮影前から新横浜博物館にラーメン修行に通い体得したプロ顔負けのラーメン・パフォーマンスを披露。撮影に使用されたラーメンもラーメン職人である原作者・香月氏の厳格な指導のもと、本物のスタッフがシーンごとに作成。当然、現場にはいつもおいしそうなとんこつラーメンの香りが満ちていた。

また、博多一風堂の河原成美氏、支那そばやの佐野実氏をはじめ、ちばき屋、なんつっ亭、魁龍、龍の家、博多新風など全国の有名ラーメン店のカリスマ店主が多数エキストラ出演しているのもラーメン・フリークにとってはお楽しみの1つだ。

また本作は、「ラーメン映画」であると同時に普遍的な「父と息子の物語」でもある。裸一貫から人気ラーメン店の店主となった父親。その父親が残した大きな看板にプレッシャーを感じつつ、自分なりのやり方でラーメン作りに向き合う息子。『ラーメン侍』は、一見違う生き方を選んでいるようで、いつの間にか幼い頃見て育った父親の想いと生き様を受け継いでいく普遍的な親子の物語なのだ。

そんな主人公・昇と光を、実生活では俳優の父を持つ渡辺大が1人2役で演じているのも本作の大きな見どころ。役者・渡辺大の存在が演技を超え、力強いリアリティを本作に吹き込んでいる。

 

 
「ラーメン侍」製作委員会